防食亜鉛 を選別する際の注意点
船舶の外板をサビなどから守るために取り付ける 防食亜鉛 というものがあります。今回引き取った防食亜鉛には異材が混ざっていましたので動画も交えて注意点を紹介したいと思います。磯の香りを動画ではお伝えできないのが残念です。
1. 防食亜鉛 とは
船舶をサビなどから守る亜鉛製の板状や円柱状の防食材です。亜鉛製の他にもアルミ製の防食アルミがあります。防食亜鉛(ボイラージンク)、形状からメガネとも呼ばれます。取り付ける箇所は外板、アース棒、タンク、熱交換器などの水に浸かっている部分で、年に一度の頻度で付け替えられることが多いようです。使用済みの防食亜鉛はスクラップされ、金属原料としてリサイクルされていきます。水面より上の部分は塗装などのコーティングによってサビなどを防いでいるそうです。
こちらの「船を守ってくれる金属スクラップ買取りしました!」の記事でもご紹介しています。
2.防食亜鉛を選別する際の注意点
防食亜鉛を選別する際の注意点は以下の通りです。
- 付き物
- 他の金属 鉛、アルミ、鉄
- 異材(防食亜鉛ではない亜鉛のスクラップ)
2−1.付き物
防食亜鉛に付けられているゴムは、リサイクル原料の品質を落とすことになるため取り外します。
2−2.他金属
2−2−1.鉛
網に取り付ける鉛錘(なまりおもり)が混ざっていました。鉛と亜鉛は字は似ていますが別物ですのできっちり分ける必要があります。
2−2−2.鉄
船と防食亜鉛を取り付ける際に使用される鉄が、防食亜鉛から抜け落ちた状態で混ざります。大体の鉄は内部に残っていますのでこれらは選別する必要はありません。
2−2−3.アルミ
アルミ製の防食板が混ざっていました。見た目では判断が非常に難しいため重さの違いで判断します。次項で詳しく紹介します。
2−3.異材(防食亜鉛ではない亜鉛のスクラップ)
防食亜鉛ではない亜鉛のスクラップが混ざっていました。含有成分が違う可能性もあることから選別しておきます。
3.アルミと亜鉛の防食板の見分け方
2−2−3.で少し触れましたが混ざっている防食アルミは重さで判断します。亜鉛とアルミの比重を見てみると亜鉛がアルミのおよそ2.6倍の重さがある事になります。
金属名 | 比重 |
---|---|
亜鉛 | 7.13 |
アルミニウム | 2.70 |
同じような大きさの防食板を持ち比べるとはっきり重さの違いを感じ取ることができます。薄っぺらくなったり小さな塊になってしまったものは違いを感じにくくなるかもしれません。
4.防食亜鉛と防食アルミの買取金額の違い
防食亜鉛と防食アルミの買取金額はスクラップ屋さんによって様々ですが、1kgあたり80〜100円ほど亜鉛の方が高値で買いとれると思います。しっかり分けることによって減額なく本来の評価で買い取れるようになります。
5.まとめ
防食亜鉛を選別する際の注意点は以下の通りです。
- 付き物は必ず外す
- 他の金属と分ける
- 防食亜鉛ではない亜鉛のスクラップとも分ける
- 防食亜鉛と防食アルミは重さで判断できる
防食亜鉛や防食アルミは普段は目にしないものですが、船を扱う場合には必ず出てくるスクラップ屑ですので、出来たら選別されるのをお勧めします。