入荷された真鍮の打ち抜き新屑は セパ か コーペル か
銅60%、亜鉛38%という結果でした。それではこの打ち抜き屑はどちらの原料となるのでしょうか。
1. セパ とは
セパとは日本工業規格(JIS)により「1号新黄銅くず」に分類される銅合金のリサイクル原料の業界の呼称です。セパ屑、セバ屑などと呼ばれることもあります。やや青みがかった黄銅色になります。
1号新黄銅くず
厚さ 0.2 mm 以上の JIS H 3100 の 合金番号 C2600・C2680・C2720 及び化学成分がこれらと同等のものを切断又は打ち抜いた純良な新原料。ただし,小片を混入してはならない。
備考 JIS H 3100 の合金番号 C3560・C3561・C3710・C3713・C4621・C4640 の原料は異材として混入してはならない。日本工業規格
このように定義されています。なにやら難しいのでかいつまむと
- 厚さは0.2mm以上、1辺は10mm以上は必要
- JIS H 3100 規格は銅及び銅合金の板並びに条のこと
- 板状の切断や打ち抜かれて出た新断ちクズ。小さなカケラは別にする
- 成分が銅65%、亜鉛35%程度(合金番号 C2600・C2680・C2720)のもの
- 鉛が添加された快削黄銅(合金番号 C3560・C3561・C3710・C3713)は混入してはいけない
- 錫が添加されたネーバル黄銅(合金番号 C4621 ・C4640)は混入してはいけない
以上の条件を満たすとセパ屑として買取ができます。今回の動画では銅が60%なのでセパ屑にはなりませんでした。
2. コーペル とは
一方コーペルとは日本工業規格(JIS)により「2号新黄銅くず」に分類される銅合金のリサイクル原料の業界の呼称です。セパよりも青みのない黄銅色が特徴です。
2号新黄銅くず
厚さ 0.2 mm 以上の JIS H 3100 の合金番号 C2801 及び化学成分がこれと同等のものを切断又は打ち抜いた純良な新原料。ただし,小片を混入してはならない。
備考 JIS H 3100の合金番号 C3560・C3561・C3710・C3713・C4621・C4640 の原料は異材として混入してはならない。日本工業規格
このように定義されています。こちらも難しいのでかいつまむと
- 厚さは0.2mm以上、1辺は10mm以上は必要
- JIS H 3100 規格は銅及び銅合金の板並びに条のこと
- 切断や打ち抜かれて出た新断ちクズ。小さなカケラは別にする
- 成分が銅60%、亜鉛40%程度(合金番号 C2801)のもの
- 鉛が添加された快削黄銅(合金番号 C3560・C3561・C3710・C3713)は混入してはいけない
- 錫が添加されたネーバル黄銅(合金番号 C4621 ・C4640)は混入してはいけない
以上の条件を満たすとコーペル屑として買取ができます。今回の動画で分析した真鍮がまさにコーペルでした。
3.まとめ
今回はコーペルのスクラップ屑でしたがセパ・コーペルの違いや定義についてまとめると以下の通りになります。
- 真鍮の板状で厚さ0.2mmと1辺10mm以上の切断や打ち抜き屑
- セパは成分が銅65%、亜鉛35%程度
- コーペルは成分が銅60%、亜鉛40%程度
- どちらも鉛や錫が添加された異種の真鍮を混入しない
- セパとコーペルを目視で判断するのはほぼ不可能
- セパの方がコーペルより買取価格が1kgあたり約20〜30円高い
真鍮に限らず金属の切断や打ち抜き屑は同種の金属屑の中でも高く買い取れますので異種の混入なくリサイクルしていただけたらと思います。